傍らの綿

ダブルの構築について書くブログ。シングル書くとしたら受けループ。エルフーンとサーナイトが好き

【SVダブル】枯木寒巌キョジオーンスタン【S3最終36位】

アローラ!かっぱです。

まずはS3お疲れさまでした。S1でも痛感しましたが、やっぱり新ルールで自分で構築を作ろうとすると本当に難しいですね。今期はちょっと納得のいく構築が組めたので、構築記事にしておこうと思います。

以下常体で失礼します。

↓使用構築画像

↓最終順位

画像

 

 

 

【目次】

 

コンセプト

・鉄壁キョジオーンで詰ませる

・塩漬けで雑に削り、エース圏内に入れてスイープする

・ウインバレルでサイクルする

 

構築経緯

スタン構築が好きなので、シーズン初期はパラドックススタン(Pokémon-Icon 1005.pngPokémon-Icon 992.pngPokémon-Icon 991.png)を使ってランクマッチに潜っていた。しかし、

 

・対寿司が普通にキツい

・初見殺しにBo1で対応する選出が難しい

・明快な勝ち筋が用意しづらく、プランが立てにくい

 

ことが厳しく、あまり勝てていなかった。スタン系でランクマを勝ち切るのは厳しいと判断し、半ば逃げる形で追い風系の構築を雑に回していた。そうしてずるずると終盤に近付いてきた頃、SNOWさんがセカコロで上記スタンをツツツ→イルカに変更した形で勝っていたのを見た。イルカマンのパワーを再確認し、耐久振り残飯サーフゴーという個人的に開拓していたポケモンと組み合わせた雨イルカ()を組み、そこそこ勝てるようになった。

マスカーニャの減少、水先制技の価値向上など、イルカマンに追い風となっている環境も噛み合って、イルカマンは主軸にできるポケモンだと確信できた。

この並びで感じた課題として、

 

・イルカを雨で介護するのは過剰

ペリッパーが弱すぎる

・テラスの切り先が選出画面で決めづらい

・初見殺しにBo1で(ry

 

ことがある。また、僕のプレイスタイルがスタン系・サイクル軸であったため、ペリッパーで強気に追い風するといった、本来雨イルカに要求されるプレイングがどうにも苦手で、いまいち使いこなせていなかったとも感じる。

一方強みとして、

 

・イルカが圧倒的に強い

・イルカの通らない構築に対し、残飯巧みサーフが強い→勝ち筋が明快

・補完が優秀でサイクルが出来る

 

ことが挙げられる。これらを活かして、再度スタンを組めないかと考えていたところに、キョジオーンが強いというアイデアが噛み合った。

個体解説で再度触れるが、キョジオーンというポケモンは対初見殺し性能を数値によってある程度担いながら、鉄壁によりある種こちらから初見殺しを押し付けられ、更に命中安定という、ランクマッチで勝つ上で欲しい要素を多く持ったポケモンだった。塩漬けにより相手にサイクルを強要できるのも、今の対面環境(特に)にプラン段階で優位を取れて強力だった。

テツノカイナというポケモンについて、ハバタクカミやモロバレル、特にイダイナキバに対し「テラスタルの切らされ性能」があり、弱いと感じていたので、考察を中断していたパラドックススタンからツツツ→イルカ、テツノカイナ→キョジオーンとして回したところ、非常に使用感が良かったため、ごく一部を変更しつつ最終日にも持ち込んだ。

 

個体解説

Donnersichel

トドロクツキ

@ブーストエナジー / 飛行テラス

195(116)-180(164)-94(20)-x(-)-122(4)-181(204+)

*特殊の被弾機会が割と多く、構築に威嚇もいたため、Hを伸ばしたが、

187(52)-180(164)-102(84)-x(-)-122(4)-181(204+)の方がHBD/(B+D)は良い

**Sを187にすると追い風下準速イダイナキバを抜ける。シーズン終わってから気付いた

183(20)-180(164)-101(76)-x(-)-122(4)-187(244+)

 

・最速サケブシッポ抜き(=イッカネズミ抜き抜き)

・Sブーストする範囲でAを伸ばし、残り耐久

 

守る / 追い風 / アクロバット / 地獄突き

 

SVで一番ビジュが好きなポケモン。エース枠その1。USMでメガボーマンダを一生擦っていたこともあって、今期はずっと使っていた。使えば使うほど通し方が綺麗になっている感じがして、練度ポケモンなんだなぁと思った。

最初はより耐久を伸ばして、守る / 身代わり / アクロバット / 地獄突き のAブーストを使っていたが、

・対イエアルマ性能は過剰気味なこと

・カイナの不在で猫と身代わりを合わせなくなったこと

・イルカ、ハバカミをエースに追い風要員として選出できるようになること

からSブースト追い風型にした。たっぴーからの助言。あざす。

結局追い風は2回しか押さなかったためワイドブレイカーか瓦割りにすると良い気がするが、キョジオーンの塩漬けで交代を強要したツツツをブースト込みで縛っているのが非常に強く、Sブーストは大正解だったと感じる。

Sブーストしたロクツキを抜けるポケモンが環境にほぼおらず、飛行テラスアクロバットが十分高打点で、通りも非常によかったため、キョジオーンの塩漬けで雑に削り、ロクツキが一貫して勝ちという試合が一定数あった。

素早さを187まで伸ばすと追い風下準速イダイナキバを抜いている。抜いてないせいで追い風に負けたという試合がなかったので気付かなかったが、さすがに伸ばしてた方が強そう。

 

Delfinator (Heldenform)

イルカマン

@神秘の雫 / 水テラス

 

201(204)-116→215(124+)-93→118(4)-x(-)-90→115(60)-135(116)

 

・ナイーブで眼鏡C187ハバカミのムンフォ耐え

・最速70族抜き

・使用感の良かったAとH(具体的な意図はなく感覚。Aは210くらいでも多分良い)

 

守る / ウェーブタックル / ジェットパンチ / 黒い霧

 

改めて頭のおかしい数値をしているポケモン。エースその2。圏内のポケモンたちにジェットパンチを連打するのが何より楽しい。一ターン目を如何に凌ぐかが大事なので、守る選択肢を取れるように持ち物と技構成はこれで完結している。

素の状態でハバカミとタイマンを勝てるように調整していて、眼鏡、珠→耐えてウェブタで落とせる、襷→反動込みで耐えてジェッパで縛っている、となる。

相手視点では1T目のイルカはバレルバックなどが本筋で、フェアリーテラスまでは切りにくいこと、また守ってしまうのは勿体ないということで良く通る動きだった。イルカが集中されそうなら守る、打ち分けなら素居座りorバック、やることなかったらバックの3択を上手く使い分けるのが何より大事だと感じた。

キョジオーンの塩漬けとも高相性で、高速組はジェットパンチ圏内に、鈍足組はウェブタ圏内に入れることで、終盤で大いに優位な択選びをすることができた。

対寿司でも数値の高さと黒い霧で重要なコマなのだが、構築内にイルカバレルキョジオーンと並んでいる(上、残りもロクツキウインハバカミ)ためそもそも合体寿司は出てこなかった。初手にヘイラッシャが出てきたら大体あくびされるし、後発でピン寿司出てきても突破に時間かかるし、なんなら呼び水シャリタツが出てくる始末だったので、選出しなくてもいいのかなぁとも。

 

Flatterhaar

ハバタクカミ

@拘り眼鏡 / 草テラス

143(100)-x(-)-88(100)-177(172)-156(4)-189(132+)

 

・A211カイナのワイルドボルトを最高乱数切って耐え

・A204土下座の悪テラス不意を上ふたつ切って耐え

・最速ロクツキ抜き(=準速ハバカミ抜き抜き)

(・C187ハバカミのテラス眼鏡ムンフォを56.25%で耐え)

 

シャドーボール / マジカルシャイン / ムーンフォース / パワージェム

 

霊妖を一致で打ててCS種族値ともに135はヤバい。エースその3。

ウインディと一緒に運用する上で一番強いと思っている耐久振り眼鏡で採用した。Hも少し伸ばしていることで、あんまり高くない特殊打点に繰り出し、眼鏡ムンフォを返してサイクルを一気に有利にする使い方ができた。

霊妖の攻撃範囲がとにかく反則で、キョジオーンやイルカウインバレルでサイクル削りをしていると、どこかでシャボかムンフォが一貫してしまい、そうなれば一匹でゲームエンドに持っていけるほどの破壊力を秘めている。

威嚇を入れるとA133ナイーブイルカ@神秘の雫の水テラスジェッパを二耐えするワザップがある。一回だけそれでイージーウィンしたので覚えていて損はない、かも。

草テラスにしているのは、イダイナキバのぶちかましに対して動かしたかったこと、ハバカミをバレルでごまかしている構築に対しキョジオーンと並べてイージーウィンできることが主な理由。副産物でカイナの攻撃をなんでも1発耐えてくれるようになった。眼鏡を持っていることと、サイクルを好む僕のプレイスタイルから、フェアリーテラスでリーチを伸ばしたいという盤面はほぼなく、草テラスが合っていたと思う。

パワージェムをシーズン通して一度も押さなかったので、初動の出し負けをごまかせて、型誤認も誘える守るに変更すべき。

 

Saltigant

キョジオーン

@食べ残し / 霊テラス

207(252)-120(0)-158(60)-x(-)-148(196+)-55(0)

 

・MeLuCaの配布キョジオーン流用

・C187ハバカミの眼鏡ムンフォを残飯*2込み81.25%で二耐え

・普通に不安なのでB削ってD伸ばしていい

 

守る / 自己再生 / 鉄壁 / 塩漬け 

 

今シーズン最強格の一匹だと思った。前記事(【SVダブル】テラスタル考察 - 傍らの綿)でも触れたように、今作では対面的な性能のポケモンが評価される傾向にあるため、サイクルを強要できる塩漬けという技があまりに破格な性能をしている。特に今期はハバカミツツミを添えた並びが多く、それらは数値・耐性の貧弱さ故サイクルは難しくなっているため、塩漬けは更に強い技となっていた。

また、テラスタルによってタイプによる役割関係があいまいになる中、圧倒的な数値+ゴーストテラスによる受け方面での安定感、塩漬け→守るだけでタイプ相性を無視して1/4以上持っていくという削り性能は、初見殺しの跋扈するランクマッチにおいて非常に信頼のおける要素だった。

また、ワイドガードではなく鉄壁を採用したことも触れておきたい。ワイドガードは基本的に上位勢にはケアされており、本体あるいは隣を集中される場合がほとんどだったのであまり評価していなかった。そこで、より詰め性能を強化でき、警戒されにくい鉄壁を採用することにした。岩タイプの耐性が悲惨なため、テラスタルの切らされ性能があるのも気になっていたが、それも先に鉄壁を1積みすることで解消できた。岩の弱点のうち鋼、地、闘はほとんどが物理打点であり、きれいに噛み合っている。

基本的にゴーストテラスを切り、塩漬けを連打して削りつつ、取り巻きでキョジオーンを突破できるポケモンを落とし、詰めまで担う。鉄壁は詰めるとき、テラスタルを切らずに済むようにするときにだけ押し、基本的には常に塩漬けを押し続ける(特に交代先に刺すのが大事)。キョジオーンで詰めるのか、キョジオーンは削りとして使うのかプラン立てして選出を組むのが重要で、削った後は落としてもらい、ハバカミ+ロクツキなどとエースを並べて全員縛っているという展開も見ていきたい。

 

Arkani

ウインディ

@突撃チョッキ / 草テラス

191(204)-165(156+)-101(4)-108(0-)-109(68)-125(76)

 

・H16n-1

・A11n

・塩漬け+持続ダメ*1+フレドラで確実にツツツを落とせる

・C176ドロポン+フレドラ反動をぼちぼち耐え、フレドラ神速で無振りツツツをぼちぼち落とせる

・気持ち速めのS

 

フレアドライブ / 神速 / バークアウト / サイコファング

 

サイクルクッションと攻撃性能を確保できるチョッキを持たせたが、非常に使用感が良かった。チョッキのおかげでツツツ前で堂々と突っ張れることや、じゃくほアルマに対しフレドラで突っ込んでいけること、ハバカミに対して安定して対面できることなど、強みは本当に多い。オボンや防塵ゴーグルと比べて、

・守れない

・HP管理がシビア

・バレル耐性が薄くなる

・鬼火が出来なくなる

ことが劣る点として考えられるが、本構築においては

・引き先になれるポケモンが多いため守れる必要性が薄い(し、そもそもウインディで守る動きは弱い)

・バレルの花粉団子がある

・バレル耐性→キョジオーン、バレルの採用、草テラス二枚、飛テラロクツキ、そもそもA振りなのでフレドラでワンパン出来るとめちゃくちゃ厚い

・鬼火するよりは威嚇サイクルしたい(バクア以外命中不安が一つもない構築なので、外し要素をわざわざ採用したくなかったのもある)

と十分弱みの部分はカバーできている。

余った技枠には壁雪パに勝ててカイナやドクガを触れるサイコファングを採用した。忘れた頃に当たる壁パに対し強く動けるのは大きかった。構築単位でバンギラスやドドゲザンが相当重いので、格闘打点としてインファイトを採用するのも強いと思う(特にバンギラスはテラスタルせず突っ張ってくる)。

 

Hutsassa

モロバレル

@オボン / 悪テラス (↑動いてくれない…)

219(236)-x-113(180)-105(0)-123(92+)-31(0-)

*ぜっっっっっっっっっっったいに

220(244)-x-114(118)-105(0)-121(76+)-31(0-)

の方が優れています。オボン持ちなので、怒りの前歯で発動するようHは偶数にすべきで、諸々の回復量を考えても3n+1かつ4nになる220が良いです。欠陥ポイント

 

・H3n

・気持ちD厚めに効率よく配分

 

守る / キノコの胞子 / 怒りの粉 / 花粉団子

 

ChalkFに入ってくるポケモンが、地方ダブルで弱いわけはない。胞子で眠りを撒けるのはもちろんだが、実はこのポケモンの一番やばいところは花粉団子で味方のHPを増やせるところにあると思っている。バレル自体も再生力というチート特性のため、交代自体が回復行動になっているのもだいぶイカれている。出すときは出来るだけウインとセットで出してあげたいし、イルカまで行ければ理想。

持ち物はサイクル回数が増えるだけでなく、ツツツのフリドラを二耐えするなど居座り性能も増強されるオボン。サイクルパーツとしても、エースを立てる粉役としても代替の効かないポケモンだった。準伝解禁になってもずっと構築に入ってると思う。

 

選出

コンセプトからゲームプランを考え、それに沿いつつ相手の構築に合うエースを選択して4枚に纏める。以下にもう一度コンセプトを貼っておく。

・鉄壁キョジオーンで詰ませる

・塩漬けで雑に削り、エース圏内に入れてスイープする

・ウインバレルでサイクルする

 

この構築はスタンなので、「こういうアーキタイプには絶対こう投げる!」という選出は正直なく、相手の6枚を見てゲームプランを考え、それに即した4枚を投げるイメージだった。選出とゲームプランの選択肢が広い分再戦にもやたら強く、スタンの強みが出ていて嬉しかった。

 

一応意識していた組み合わせだけ書いておく。

+

全てのプランが取れる最強選出。これを「自然に」できた試合はほぼ確実に勝っていた。

 

+

キョジオーンが出せない時に選出する。ウインバレルを主体にサイクルを回しつつ、エース二枚の一貫を作ることを目指す。

 

+

裏選出。高圧的なポケモンたちで対面的に展開する。お互い消耗した盤面をバレルかキョジオーンを活かし詰めていく。

 

・あんまり強くない選出の例:

 

明らかに弱そうだが、一応言語化しておくと、イルカを選出しているのに引き先かエースorキョジオーンしかおらず、イルカの弱点をカバーできていないことに加え、どのゲームプランに対しても中途半端な選出となっているから。

 

・イルカを投げる場合、バレルウインキョジオーンから少なくとも2枚は投げたい。どんな盤面でも引き先があるように選出し、それができない場合はイルカの選出自体を控える。

 

重いポケモン

・意味不明なポケモンの隠密マント(e.g. グレンアルマ、ブリムオン、バレル)

そいつ以外を倒してTODする羽目になる。塩漬けを吸われて「そいつ以外」を倒しにくいバレルは厳しい。最終日に草テラス隠密マントアルマに瞑想されて負けたときは本当に辞めようと思った。

 

バンギラス

格闘打点がないため処理が厳しい。イルカマンで倒すと反動ダメが痛すぎるし、バレルで眠らせようにも飛テラされ、キョジオーンで詰ませるにもけたぐりor悪技で打点を持たれており、鉄壁すると雪崩を押されて隣が削られて怯みも押し付けられる。言うほど数は多くない、と高を括っていたら最終日死ぬほど当たった。死んだ。

 

・ドドゲザン

バンギ同様。キョジオーンはアイへとドゲザンで挟み撃ちにされており、ウインディの威嚇で弱体化もできない。防塵ゴーグル持ってたり、飛・炎テラバしてきたりするためバレルも信用できない。言うほど数は多くない、と高を(ry

 

 

結び

書きたいことを書いていたら約7000字にもなってしまいました。愛着ある構築だったということで!

構築全体で数値の高いスタンらしい構築に仕上がったことに加え、ウインバレルイルカというサイクル戦になれば最強の3体が、キョジオーンによって得意な土俵で動けるようになっていて、ポケモン間の特徴にもシナジーがあって、満足のある並びを作れました。カイナを解雇した結果として土下座とバンギがやたら重くなってしまい、仕方ないと割り切っていたのですが、最終日に爆増して分からされました;;

ただ、これまで諦めてきたスタン構築で、ある程度ランクマを戦えたのはとても嬉しかったです。来期以降もスタンで頑張っていこうと思えました。

お読みいただきありがとうございました!